左股関節骨折後に膝の痛みを訴えるサッカー少年
昨年12月に膝の痛みを訴えて1回目のご来店をされました。
既往歴を確認していくと、小学校4年時に左股関節部骨折(下前腸骨棘)、小学校6年時に左膝関節の軟骨損傷(離断性骨軟骨炎)、など大きな痛みを発する怪我がありました。
症例のご紹介
男性 (10代、中学生)
主訴 左膝痛(離断性骨軟骨炎)
競技 サッカー
2回にわたっての施術前後の違い
2021年12月(1回目のご来店)
マット上での動作確認では膝の痛みは誘発されないものの、ランニング動作では大きく左側へ上半身を崩し左足に体重を乗せられない様子が伺えました。
ずっと前から左膝の痛みをかばっていたとのことで、それによりランニングフォームは大きく崩れていました。
ベッドでさらに詳しく関節可動域を確認していきます。
左股関節を曲げていくと痛みを伴ったつまりが発生し左股関節の動きを大きく制限していました。
また左股関節前面には圧痛を伴う塊のようなものがありました。
その塊を触った本人は、
「右側と左側、全然違います!左側に結構塊が出ています」と、本人も初めて気づき驚いている様子でした。
小学校4年時の骨折が塊(筋肉や筋膜などの拘縮)の原因と思われます。
左股関節部の骨折の痛みをかばってサッカーを継続したために左膝に大きな負荷がかかり、軟骨損傷(離断性骨軟骨炎)が発生したと想定できます。
左膝の痛みを改善するためにまずは左股関節の機能改善が必須な状況でした。
左右の股関節の柔軟性改善のストレッチを中心に施術を進めていきました。
施術後は左股関節の詰まりが軽減し、歩行やランニングでは自然にスピードが上がり、本人からは「動きやすい」との反応がありました。
数種類のストレッチを指導して自宅で毎日実践してもらいました。
2022年2月(2回目のご来店)
左膝の痛みはかなり軽減していました。
またバランスを崩してサッカーしていたために右膝にも痛みが少しあります。右膝痛解消のためのストレッチメニューを追加し股関節の機能的な動かし方を指導しました。
施術後はランニングフォームに改善がみられ、左膝に体重を乗せられるようになっており、左膝の捻れも解消されていました。
長期間痛みをかばってランニングをしていたため股関節や腕の使い方などは今後も少しずつ改善へ進めていきたいです。
痛みをかばうことで起こる二次的な損傷を防ぐために
小・中・高校年代などの育成年代では、痛みをかばったまま競技を続けることで二次的な損傷が発生するケースをよく見かけます。
今回のケースでは左股関節部骨折→左膝痛→右膝痛へと発展しています。
本人にとっては、試合に出たいから痛くても競技を続ける、または痛くてもやっているうちに痛みが治ってくることがある、などといった理由から痛みをかばって競技を継続しているようです。
「なぜ痛みが発生しているのか?」
「競技を継続しても良い、痛みなのか?」
「どうすれば治るのか?」
FLOWではご本人と保護者の方に、出来るだけ分かりやすく怪我の状況を説明いたします。ご本人、ご家族の怪我への理解が回復に向けての近道になります。
痛みは身体からの正確なサインです。
痛みを抱えての生活、お仕事、競技をされている方、一度FLOWへご相談ください。それぞれのライフスタイルに合わせた施術でサポートして参ります。